ドアを開けた瞬間、緊張が伝わって来ました。大きなマスクからわずかにはみ出ている眼が少しも笑っていないのです。
部屋への誘導も距離を置いたまま、しかも後ずさりで、こちらの動きを確認しながらなのです。
ほぐそうと
「結構、警戒している感じですかね」と聞いてみたら
「この時期、当然ですよね」とのお答え。おいおい。
「このままマスクしたままでいいですか」と聞いてくるので
「本当は綺麗なお顔を見たいところですが、ご希望ならいいですよ」と譲歩したつもりが
「良かったです」とのお返事。
消化試合確定と覚悟し、世間話に徹しました。
こちらから
「警戒心のレベルは人それぞれで、全くノーケアのセラピさんもいるけど、〇〇さんはかなり警戒しているほうですね」などと話を向けると
「オーナーからも、そこまで心配なら休んでいていいよ、と言われているんですけど、やはり収入の心配があって」とのこと。オーナーさんの言う通り、と思いつつ、
「結構、収入下がりました?」と聞くと
「ダダ下がりです。4分の1以下、もう暮らせません」とのこと。
「大変ですね。それだと、怖がりながらも、出勤するしかないですよね」などと迎合すると
「お客さんも減っているし、本当に困っています」と返ってきます。
そこで、気の毒になり、邪心ではなく、真心から、
「単価を上げるしかないね。さっき断ったけど、オプション付けようか?」と提案すると
「いいんですか?嬉しいです!」
OLのような白ブラウス+紺スカートというコスチュームからキャミソール姿になるのに3千円とのことでしたが、冒頭の超警戒ムードではあまり意味がないと思い、断っていたのです。
お金を渡し、ドアの向こうで着替えて戻ってきた姿は、予想外に艶めかしいものでした。黒のキャミソールの下に豊かなバストが揺れ、見事なくびれが露になっていました。
気のせいか距離も縮まり、少し盛り上がってきたところで、調子に乗ってこう言いました。
「2千円でマスクを外す、という提案はどう?」
すると「いいですよ」と速攻OKが出ます。
マスクを外すと、予想外に美人です、笑ってもくれています。
施術も、先ほどまでの警戒感はどこへやら、かなりのキワキワが繰り出されます。
さらに調子に乗ります。
「この際、もっと儲けるという判断はある?同じ時間内で、さらに単価を上げる方向性は?」
すると
「例えば、どんなことですか?」の質問。